1916年12月朝見製菓は福山の地で創業しました。

昔から福山は、地場の産業として菓子の製造が盛んな土地柄でした。

朝見製菓は数多くの弟子に囲まれ人材にも恵まれておりました。

そんな順風満帆の中
戦争が始まり休業状態になりました。

そして戦後、2代目が海軍から帰還し焼け野原のなか共同作業場から
朝見製菓は再スタートします。

原料も中々手に入らず、
設備もレンガで造ったてずくりの固定釜（オーブン）一台で
朝から晩まで必死にお菓子を作っておりました。
作れば、福山駅に行き販売、作れば売れた時代です
包装は、木箱に詰め、それを問屋さんが大八車で取りに来ていました。

しかし、もっと多くの人に食べてもらいたいという思いは強く、
これまでの手作り生産という常識を覆す決断に出ます。
それは量産、機械化を試みることでした。
販売の形態も専門店から、スーパーが台頭してきた時代
弊社も、量産の道を選択

従来の固定釜（オーブン）からトンネル状のライン釜（運行釜）にすることにより量産

これまでの配合、焼加減では理想通りに仕上がらず、試行錯誤
生地が半生
焼きすぎ
生地が膨れない
生地が銅板から上手く剥がれない
様々な苦労がありました。

新商品の開発、品評会への出店
地場の同業と、バスをチャーターし移出協会をつくり他県への販売

手作りが前提で量産は難しいと言われていた時代、
朝見製菓はもっと多くの人に「鈴カステラ」を届けたいと言う思いが実現となったのです。
おいしさはそのままにより広く
それは戦後皆が飢えていた時代
当時高級であった「カステラ」を
「鈴カステラ」として
もっと多くの人が手軽に食べられ
そしてそのおいしさで幸せになって欲しいという願いがあったからです。

量産から多品種小ロット、少子化の問題が取りだたされておりますが

初心を忘れず
みなさまにおいしいを届けたい
幸せな気持ちになって頂きたい
そんな想いを胸に、現在3代目は今日も「鈴カステラ」を作り続けています。